【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「前編」
稲垣 英徳
Photoshopで

では、上手く撮影出来た事を前提に、Photoshopでの処理を見て行きましょう。
多くのデジタルカメラはアスペクト比3:2、若しくは4:3となっています。これをバッサリとパノラマらしくトリムする為には、アスペクト比3:1でクロップする事になります。

やり方は色々在ると思いますが、簡単な方法ではアクションを作り、キャンバスサイズを流れ作業的に行っても良いですし、自分でクロップを操作しても良いでしょうし、マーキーなどで、3:1の比率で選択する様にしても楽勝です。面倒くさがり屋の筆者はアクションを使ってさっさと処理してしまう事が多いのですが、たまに当初パノラマに利用する予定にしていなかった写真を転用する際は、マーキーを操作して選択をする方法を採用しています。
【図 2】
Photoshop CS2英語版でのマーキー設定
【図 3】
Photoshop CS2英語版のスクリーンから、アスペクト比3:2のデジタルカメラではこの設定で安直に。
ただ、多くの場合は予めパノラマに使用する事を予定して撮りますから、きっちり所定の一時対象が存在する形になって居る事が多いのです。パノラマ化する物の場合、元々中央位置に来る様に撮りますから、大抵は真ん中を残すキャンバスサイズを変更するトリムで構わないでしょう。

キャノンのDSLRの様に、3:2の比率を使うデジタルカメラは縦幅の半分を使う、とだけ覚えれば良いので、結構楽でしょう。

また、多くのズームレンズは広角側で撮る際、周辺部に行けば行く程、像が流れたり、描写が甘くなる傾向がありますから(もちろんそうで無いレンズも多くあります)、真ん中を使っていれば無難という事もあります。だから上下をトリムするアクションで処理して、殆ど問題が無い訳です。
【図 4】
Photoshop CS2英語版のスクリーンから、アスペクト比4:3のデジタルカメラではこちらの設定で。
多くのDSLRや、コンパクトデジタルカメラは4:3の比率ですが、一部の機種は16:9のHDTVやAPS-Hと同じ比率を持っています。これらの機種の場合は、高さを59.2592%にクロップする事で3:1の比率になります。
【図 5】
Photoshop CS2英語版のスクリーンから、アクションを作って置くと簡単です。表示されているのは3:2と4:3用のアクション。

多くのバナー用写真の場合などは、4:1、または8:1のトリムを要求される事もあるでしょうから、それらのアクションも作って置くと、比較的量を要求されるこれらの処理も能率良く捌けます。是非これらのアクションは用意しておきたいものです。

アクションさえ作っておけば、撮り方次第によってはイメージプロセッサーで一気にバッチ処理出来てしまいます。

【図 6】
Photoshop CS2英語版でのイメージプロセッサー。
一度の撮影に少ない方で数十枚から多い方で数百枚は仕事の際は撮りますから、一気にバッチ処理出来る写真ならば処理してしまえば大変楽になります。特にバナー用の写真の様に、同じ様な写真を何枚も要求される場合は欠かせないでしょう。【図6】の様に、アクションとイメージプロセッサーを組み合わせて、一気に何百枚とある画像を処理したいものです。
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  稲垣 英徳   2007.05.14