この規格の最大のミソは、例えば通常のプリント出力(APS-C)では30〜35mm程度の画角なのが、APS-P、APS-Hでは28mm相当の画角を得られた事にあります。35mm判の規格というのは、言われている程統一された規格では無く、カメラによって区々でしたが、APS規格では殆どのカメラで同じ露出エリアが得られる統一された規格でした。これによって一般的なパノラマ写真のアスペクト比は3:1という規格(概念)が固定したのです。
また、デジタルの時代になって直接ネガのデータを取り込み、Photoshop上で処理する側にとっても3:1は何かと都合が良かった事も、3:1の比率が受け入れられた最大の理由でしょう。しかしながら、90年代の終わりに消費者向けデジタルカメラが大ヒットし、さらにフォトインクジェットプリンターの普及によりDPEでのプリント版のパノラマ用紙のサービスは急激に姿を消す事になります。2007年現在では、専用プリンターが置いてあるDPEのお店を見つけるのは難しいのではないでしょうか。