【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「前編」
稲垣 英徳
画面中央のエリアを使用しない場合は、残念ながら、これらのバッチ機能を使用するのは不向きですから、手作業でのクロップ、及び28mm前後より広角の場合は、トランスフォーム機能を使ってある程度の歪みを直す必要が在るかも知れません。図7の様な手作業は、残念ながらケースバイケースで在る事が多い事から、手作業で片付ける事になるでしょう。
【図 7】
Photoshop CS2英語版でのトランスフォーム操作
終わりに
ただ、多くの場合は予めパノラマに使用する事を予定して撮りますから、きっちり所定の一時対象が存在する形になって居る事が多いのです。パノラマ化する物の場合、元々中央位置に来る様に撮りますから、大抵は真ん中を残すキャンバスサイズを変更するトリムで構わないでしょう。

キャノンのDSLRの様に、3:2の比率を使うデジタルカメラは縦幅の半分を使う、とだけ覚えれば良いので、結構楽でしょう。

また、多くのズームレンズは広角側で撮る際、周辺部に行けば行く程、像が流れたり、描写が甘くなる傾向がありますから(もちろんそうで無いレンズも多くあります)、真ん中を使っていれば無難という事もあります。だから上下をトリムするアクションで処理して、殆ど問題が無い訳です。
【写真 15】
定番ともいうべき夜景写真です。この手の使い道がパノラマ写真では一番多いでしょう。
今回はフィルム時代にはパノラマ写真の最も代表的な形だったトリムする方式について触れてみました。

ワイドビュー式、トリム式のパノラマ作成方法はデジタルカメラの時代でも健全で、多くのWebサイトなでで見られるヘッダーに使われる横長写真もこのタイプを応用した物が多くあります。実際、サイト等のトップやヘッダー使う為の写真の依頼というのは多く、Adobe Flashなどに使われる動画用途の物まで合わせると、その依頼量は商品撮影を除く、一般的なちょっとした小規模の撮影依頼の殆どを占めるかも知れません。

トリムしてパノラマを作る作業は、現在では必ずPhotoshopを使う作業の一部となった感もある程、Photoshopでの作業に適している物です。昔の35mmや中判カメラに比べると焦点距離の短いデジタルカメラトリムした後の多少の編集も必要で、【図7】の様な操作の必要性は非常に高いのです。フォトショップユーザーの腕の見せ所になる所も多いでしょう。 最も一般的なパノラマで在る、トリム方式は遊び所がたくさんあります。

是非、今度景色などの撮影をする時は、このトリムするパノラマを作る前提で撮影する事を試みて見て下さい。撮影の視野が大きく広がり、カメラを持って歩く際に、新たな面白さを見いだす事が出来るでしょう。
【写真 16】
雲台回転による物です。この写真では120〜130度程度ですが、雲台回転式は、最大360度の画角を得る事が出来ます。
次回は、雲台回転によるパノラマ撮影と、その作成方法です。
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  稲垣 英徳   2007.05.14