この機能は、細部の自動処理能力においては既製のハイエンドパノラマ作成専用ソフトを完全に入れ替える物ではありませんが。それでもそれらの専門ソフトに十分迫る機能ですし、各素材写真がレイヤーとしての編集作業が可能になっているため、レタッチなどの細部編集に限れば、勝っているとも言えます。実際、筆者は製品版CS3(英語版)が2007年の五月頭に導入してから、一部のパノラマ作成の作業で使用していますが、うるさい事を言わなければ十分使えるので、重宝しています。
三脚と専用雲台という大掛かりな装備を出さなくても良く、ある程度、注意さえしておけば良いのですから、カジュアルなパノラマ撮影を行いたい人達には十分すぎる機能と言っても良いでしょう。
CS3においても引き続き手持ち撮影などで、注意する点をここでのべましょう。
1. カメラはなるべく軸足に近く、できれば真上にくるように構えます。
2. 身体は軸足ごと回転させることによって、視差、及び撮影位置のズレを最小限におさえます。
3. 絞りは、手持ちができる範囲で絞りましょう。広角レンズ、コンパクトデジタルカメラでは必ずしも絞る必要はありません。
プリント向けにもできる緻密な仕上がりを希望するならば、パノラマ専用雲台や、三脚が必要なのは変わりませんが、少なくともCS2までの自動機能のように、使用できるレンズの制限があったり、専用機材等を使わないと結果が得られない物と違い、非常に制限が少なくなったと考えて良いでしょう。
【写真15-16】は表現的に、使用用途は限定的ですが、建物がまっすぐになるようなつなげ方をすると充分、一般的な用途に耐えます。【写真16】では35mm相当で撮影し、それを CS3でつなげています。ここから細かくレタッチすれば、色々な用途で使用が可能です。
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